白い結婚なので離縁を決意したら、夫との溺愛生活に突入していました。いつから夫の最愛の人になったのかわかりません!
妻は夫に安心している
後宮での騒ぎは城まで届いていたが、フィルベルド様が後宮の周りから、人が入ってこないように止めていた。
クレイグ殿下の後宮の入り口には、後宮の衛兵たちが気まずそうな様子で静かに並んで立っていたが、今は、フィルベルド様の指示のもとで後宮に誰も近づかないように見張っている。
クレイグ殿下が、手を出すな、と制したせいもあり誰も私たちを捕らえることはなかったのだ。
ルトガー様は、第二騎士団を連れて来ると言っていなくなっている。
後宮の入り口の石階段にフィルベルド様に抱きかかえられたまま座らされて、目の前にはクレイグ殿下が疲れたように座っている。
「フィルベルド様。ちょっと離れてください……」
「やっと会えたのに……それに震えていた」
「フィルベルド様が来て下さったから……でも、もう大丈夫です」
「本当に?」
「ほ、本当です……それに、クレイグ殿下も見ていますから……」
フィルベルド様の腕の中で、何度も愛しむように頬や頭にと所々に唇が這うと、震えよりも羞恥が勝っている。
「意外だね。本当にディアナが好きだったんだねぇ」
「当然でしょう。俺が唯一大事に思う女性ですよ。二度と近づかないでください。大体、予想していたでしょう? 俺にディアナと偽って他の女性を見せたのですから」
「もしかして、そうかなぁと思っただけだよ。呆れるほど何度も私の後宮に突撃してくるから……おかげで、今日は全く休めてないんだよ。私は、体力がないのに……謹慎処分なんかにしなければ良かったよ……」
クレイグ殿下がいつもの軽い物言いに戻っているが、フィルベルド様の様子に驚いているのは間違いない。そして、呆れたようにため息を吐いている。
その間も、「白々しい」と言いながらもフィルベルド様は止まらない。
「何度も? クレイグ殿下はフィルベルド様が一度も来なかったと……」
「何故私が、フィルベルドが迎えに来たと教えないといけないんだい?」
意地悪くそう言ったクレイグ殿下をみると、ニコリとしている。
その笑顔に、ムッとしてしまう。
「ディアナ。クレイグ殿下は、腹黒だ。相手にしないほうがいい」
「そうみたいですね……でも、謹慎処分って、私のせいですね……」
フィルベルド様の迷惑にならないように頑張らなければ、と思っていたのにこんな迷惑をかけるなんて妻失格だ。
落ちこんでしまう。
「ディアナのせいではない。謹慎処分にならなくても同じことをしていた」
「本っ当――に迷惑だったよ……」
クレイグ殿下が疲れていたのは、まさかのフィルベルド様のせいだったとわかる。
「……でも、来てくださってありがとうございます」
来てくれたことが嬉しくて照れながらもそう言うと、呆れ顔のクレイグ殿下が目の前にいるのに、お構いなしにフィルベルド様の顔が近づく。
「フィルベルド様……少し落ち着いてくださいね。もうすぐで騎士団も来ますし……」
祈るように両手を握りしめて懇願した。
「クッ……なんて可愛いんだ……! おかしくなる!」
そう言って、身動き出来ないほど力いっぱい抱きしめて来る。
軽く唸りそうな程、フィルベルド様に圧迫される。
「……っフィルベルド様!? ここで壊れないでくださいね!? 部下の方々も来るんですから……!!」
必死でそう言うと、カンテラの灯りが辺りを照らした。
「奥様。フィルベルド様は、ずっとおかしいままですよ。奥様が捕まったから、軽く壊れていましてね……」
深夜の暗がりに何個もカンテラの灯りが燈されて、ルトガー様が第二騎士団を連れて来ており、カンテラの灯りのもと、フィルベルド様の溺愛ぶりに誰もが呆然となっていた。
クレイグ殿下の後宮の入り口には、後宮の衛兵たちが気まずそうな様子で静かに並んで立っていたが、今は、フィルベルド様の指示のもとで後宮に誰も近づかないように見張っている。
クレイグ殿下が、手を出すな、と制したせいもあり誰も私たちを捕らえることはなかったのだ。
ルトガー様は、第二騎士団を連れて来ると言っていなくなっている。
後宮の入り口の石階段にフィルベルド様に抱きかかえられたまま座らされて、目の前にはクレイグ殿下が疲れたように座っている。
「フィルベルド様。ちょっと離れてください……」
「やっと会えたのに……それに震えていた」
「フィルベルド様が来て下さったから……でも、もう大丈夫です」
「本当に?」
「ほ、本当です……それに、クレイグ殿下も見ていますから……」
フィルベルド様の腕の中で、何度も愛しむように頬や頭にと所々に唇が這うと、震えよりも羞恥が勝っている。
「意外だね。本当にディアナが好きだったんだねぇ」
「当然でしょう。俺が唯一大事に思う女性ですよ。二度と近づかないでください。大体、予想していたでしょう? 俺にディアナと偽って他の女性を見せたのですから」
「もしかして、そうかなぁと思っただけだよ。呆れるほど何度も私の後宮に突撃してくるから……おかげで、今日は全く休めてないんだよ。私は、体力がないのに……謹慎処分なんかにしなければ良かったよ……」
クレイグ殿下がいつもの軽い物言いに戻っているが、フィルベルド様の様子に驚いているのは間違いない。そして、呆れたようにため息を吐いている。
その間も、「白々しい」と言いながらもフィルベルド様は止まらない。
「何度も? クレイグ殿下はフィルベルド様が一度も来なかったと……」
「何故私が、フィルベルドが迎えに来たと教えないといけないんだい?」
意地悪くそう言ったクレイグ殿下をみると、ニコリとしている。
その笑顔に、ムッとしてしまう。
「ディアナ。クレイグ殿下は、腹黒だ。相手にしないほうがいい」
「そうみたいですね……でも、謹慎処分って、私のせいですね……」
フィルベルド様の迷惑にならないように頑張らなければ、と思っていたのにこんな迷惑をかけるなんて妻失格だ。
落ちこんでしまう。
「ディアナのせいではない。謹慎処分にならなくても同じことをしていた」
「本っ当――に迷惑だったよ……」
クレイグ殿下が疲れていたのは、まさかのフィルベルド様のせいだったとわかる。
「……でも、来てくださってありがとうございます」
来てくれたことが嬉しくて照れながらもそう言うと、呆れ顔のクレイグ殿下が目の前にいるのに、お構いなしにフィルベルド様の顔が近づく。
「フィルベルド様……少し落ち着いてくださいね。もうすぐで騎士団も来ますし……」
祈るように両手を握りしめて懇願した。
「クッ……なんて可愛いんだ……! おかしくなる!」
そう言って、身動き出来ないほど力いっぱい抱きしめて来る。
軽く唸りそうな程、フィルベルド様に圧迫される。
「……っフィルベルド様!? ここで壊れないでくださいね!? 部下の方々も来るんですから……!!」
必死でそう言うと、カンテラの灯りが辺りを照らした。
「奥様。フィルベルド様は、ずっとおかしいままですよ。奥様が捕まったから、軽く壊れていましてね……」
深夜の暗がりに何個もカンテラの灯りが燈されて、ルトガー様が第二騎士団を連れて来ており、カンテラの灯りのもと、フィルベルド様の溺愛ぶりに誰もが呆然となっていた。