秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
志弦はウキウキと計画を語っていたが、そこではっとしたように言葉を止める。
「いや、婚約指輪なんだから一刻も早く贈るべきか。本当に気がきかないな、俺は」
ひとりであれこれ考えて落ち込んでしまった様子の彼に、清香は満面の笑みを向ける。
「急ぐことないです! ロンドンで一緒に指輪探しなんて、最高にワクワクします。私、楽しみは取っておきたいタイプなので」
その言葉に彼はほっとした顔を見せる。
「よかった、じゃあロンドンで」
「はい!」
彼は優しく目を細めて続ける。
「いつでもいいけど、結婚式もしたいな。清香の花嫁姿は絶対に見たい」
「私も。志弦さんのタキシードが……あ、でも、紋付袴も素敵だろうなぁ」
(はたから見たら、きっとバカップルなんだろうなぁ)
そう思いつつも、今はこの甘い時間に浸りきっていたかった。
食事を終えて店を出ると、志弦は当然のように清香の手を握る。そして、ふと気がついたという顔で言った。
「とはいえ、東京に戻ったら結婚指輪は買わないとな」
「そうですか? 結婚指輪も特に急がなくても……」
式をあげるまでに準備しておけば十分なんじゃないだろうか。そう思って首を傾げると、彼はにやりと意味ありげにほほ笑む。
「ダメ。君が独身だと思われたら困るから。俺のものだとアピールしないと」
「いや、婚約指輪なんだから一刻も早く贈るべきか。本当に気がきかないな、俺は」
ひとりであれこれ考えて落ち込んでしまった様子の彼に、清香は満面の笑みを向ける。
「急ぐことないです! ロンドンで一緒に指輪探しなんて、最高にワクワクします。私、楽しみは取っておきたいタイプなので」
その言葉に彼はほっとした顔を見せる。
「よかった、じゃあロンドンで」
「はい!」
彼は優しく目を細めて続ける。
「いつでもいいけど、結婚式もしたいな。清香の花嫁姿は絶対に見たい」
「私も。志弦さんのタキシードが……あ、でも、紋付袴も素敵だろうなぁ」
(はたから見たら、きっとバカップルなんだろうなぁ)
そう思いつつも、今はこの甘い時間に浸りきっていたかった。
食事を終えて店を出ると、志弦は当然のように清香の手を握る。そして、ふと気がついたという顔で言った。
「とはいえ、東京に戻ったら結婚指輪は買わないとな」
「そうですか? 結婚指輪も特に急がなくても……」
式をあげるまでに準備しておけば十分なんじゃないだろうか。そう思って首を傾げると、彼はにやりと意味ありげにほほ笑む。
「ダメ。君が独身だと思われたら困るから。俺のものだとアピールしないと」