秘夜に愛を刻んだエリート御曹司はママとベビーを手放さない
「わぁ~、やったぁ! どこに行くの?」
「水族館。しかも朝十時待ち合わせ。あまりにも健全すぎて、どう攻めたらいいか、考えあぐねてるところよ」
「軽い人より素敵だと私は思うけど」
クスクスと笑いながら清香は尋ねた。
「そういえば、前に言ってた好きになったらいけない人ってどういう意味だったの?」
不倫の恋ではないとなると、ほかになにがあるのだろうか。
「――裁判官」
茉莉が低くささやく。
「え?」
「だから、彼、裁判官なの。小学校から筋金入りの問題児だった私が裁判官に恋しちゃうなんてさ、ありえないと思わない?」
想定外の答えに思わず噴き出してしまった。
「あ~、なんで笑うのよ? 私は真剣に悩んでたのに!」
「ごめん、だって、茉莉がかわいいから」
「ものすごい堅物なの。鉄仮面みたいに無表情でね。性欲とかあるのかな? あの男」
眉根を寄せて考え込む茉莉は恋する乙女そのもので、この姿をかわいく思わない男性はいないはず。
「大丈夫。絶対にうまくいくよ。茉莉の彼に会えるの、楽しみだな」
「わ~。プレッシャーかけないでよ!」
その夜。清香はさっそく茉莉と会えて楽しかった話を志弦に報告した。
『そうか、よかったな』
「はい。志弦さんはどうですか?」
『そうだな。仕事は順調だけど……こっちは本当に晴天の日が少なくて、太陽が恋しいかな。でも、それ以上に、清香と碧乃が恋しい』
「水族館。しかも朝十時待ち合わせ。あまりにも健全すぎて、どう攻めたらいいか、考えあぐねてるところよ」
「軽い人より素敵だと私は思うけど」
クスクスと笑いながら清香は尋ねた。
「そういえば、前に言ってた好きになったらいけない人ってどういう意味だったの?」
不倫の恋ではないとなると、ほかになにがあるのだろうか。
「――裁判官」
茉莉が低くささやく。
「え?」
「だから、彼、裁判官なの。小学校から筋金入りの問題児だった私が裁判官に恋しちゃうなんてさ、ありえないと思わない?」
想定外の答えに思わず噴き出してしまった。
「あ~、なんで笑うのよ? 私は真剣に悩んでたのに!」
「ごめん、だって、茉莉がかわいいから」
「ものすごい堅物なの。鉄仮面みたいに無表情でね。性欲とかあるのかな? あの男」
眉根を寄せて考え込む茉莉は恋する乙女そのもので、この姿をかわいく思わない男性はいないはず。
「大丈夫。絶対にうまくいくよ。茉莉の彼に会えるの、楽しみだな」
「わ~。プレッシャーかけないでよ!」
その夜。清香はさっそく茉莉と会えて楽しかった話を志弦に報告した。
『そうか、よかったな』
「はい。志弦さんはどうですか?」
『そうだな。仕事は順調だけど……こっちは本当に晴天の日が少なくて、太陽が恋しいかな。でも、それ以上に、清香と碧乃が恋しい』