華に浪漫~夜伽のはずですが溺愛されています~
♢♢♢
翌日
昨夜は夜伽として京の寝室に呼ばれることはなかったため、自室の布団で眠りについた。せっかく一人で体を休めることが出来たのに“恋”の文字が脳内にこびりついて離れない。そのせいであまり眠れなかった。
(今夜は仕事があるのに…)
京は仕事が忙しいようで、早朝には家を出ているようだ。早めに帰宅してもまた仕事へ向かうこともある。
詳しくは知らないが貿易会社を営むということは相当忙しいようだ。
「おはよう」
「お、おはよう…ございます」
朝起きてすぐに顔を洗い身支度を軽く整えてから食堂に向かうと京がいた。
京は既に朝食を食べ終えているようだった。
着流し姿の京はやはり色気がある。無造作に一本に結んだ髪を触る。
(京さまがいるのならもう少し髪をちゃんと整えておけばよかった…)
「今日は休みをもらった」
「お休みを…?」
「そうだ。どうだ、良かったら出かけないか」
つばきは一気に顔色を明るくした。隠しきれない感情が表情や仕草に表れる。
そんなつばきを見て京はクスリと笑った。
「そんなに嬉しいのか」
「…はい。すみません、仕事もろくにしていないのに…」
「いいんだ。今夜ちょうど仕事があっただろう」
「…」
頬を赤らめながらはにかむ。
「支度が出来たら書斎にいるから呼んでくれ」
「分かりました」
朝食を急いで平らげ、薄紅色の着物を選びそれに着替えた。
翌日
昨夜は夜伽として京の寝室に呼ばれることはなかったため、自室の布団で眠りについた。せっかく一人で体を休めることが出来たのに“恋”の文字が脳内にこびりついて離れない。そのせいであまり眠れなかった。
(今夜は仕事があるのに…)
京は仕事が忙しいようで、早朝には家を出ているようだ。早めに帰宅してもまた仕事へ向かうこともある。
詳しくは知らないが貿易会社を営むということは相当忙しいようだ。
「おはよう」
「お、おはよう…ございます」
朝起きてすぐに顔を洗い身支度を軽く整えてから食堂に向かうと京がいた。
京は既に朝食を食べ終えているようだった。
着流し姿の京はやはり色気がある。無造作に一本に結んだ髪を触る。
(京さまがいるのならもう少し髪をちゃんと整えておけばよかった…)
「今日は休みをもらった」
「お休みを…?」
「そうだ。どうだ、良かったら出かけないか」
つばきは一気に顔色を明るくした。隠しきれない感情が表情や仕草に表れる。
そんなつばきを見て京はクスリと笑った。
「そんなに嬉しいのか」
「…はい。すみません、仕事もろくにしていないのに…」
「いいんだ。今夜ちょうど仕事があっただろう」
「…」
頬を赤らめながらはにかむ。
「支度が出来たら書斎にいるから呼んでくれ」
「分かりました」
朝食を急いで平らげ、薄紅色の着物を選びそれに着替えた。