華に浪漫~夜伽のはずですが溺愛されています~
赤色の大きなリボンの髪飾りを手に取っていると、京が「これも購入する」と店員に声を掛ける。
(ただ手に取っただけなのに…)
確かに可愛らしいなとは思ったが、それが欲しいと彼に思われてしまったのではと思った。
住まわせてもらい、かつ仕事もしていない身で高級なものを買ってもらうことは気が引けた。
しかし京がほぼ強引に購入してしまうから、商品を手に取ってみることも憚られる。
「簪でしたら、こちらはいかがでしょうか」
京とつばきの前に差し出された簪は赤い椿が装飾された目を引くような美しい簪だった。
「プラチナ製の簪でございます。人気のデザインで先週入荷しましたが、既に残りこれだけになります。お似合いになるかと思います」
「綺麗…―」
思わず声を漏らすと、京はすぐに「これを貰おう」と言った。
はっとして口元に手をやるがもう遅い。店員も上機嫌で「ありがとうございます」と言った。
申し訳なさがどんどん積み重なるが、京に買ってもらった、選んでもらったという事実が嬉しかった。
何度もありがとうございますとお礼を言う。
(ただ手に取っただけなのに…)
確かに可愛らしいなとは思ったが、それが欲しいと彼に思われてしまったのではと思った。
住まわせてもらい、かつ仕事もしていない身で高級なものを買ってもらうことは気が引けた。
しかし京がほぼ強引に購入してしまうから、商品を手に取ってみることも憚られる。
「簪でしたら、こちらはいかがでしょうか」
京とつばきの前に差し出された簪は赤い椿が装飾された目を引くような美しい簪だった。
「プラチナ製の簪でございます。人気のデザインで先週入荷しましたが、既に残りこれだけになります。お似合いになるかと思います」
「綺麗…―」
思わず声を漏らすと、京はすぐに「これを貰おう」と言った。
はっとして口元に手をやるがもう遅い。店員も上機嫌で「ありがとうございます」と言った。
申し訳なさがどんどん積み重なるが、京に買ってもらった、選んでもらったという事実が嬉しかった。
何度もありがとうございますとお礼を言う。