次期頭取は箱入り令嬢が可愛くて仕方ない。
「やっぱり、たすの淹れるコーヒーは美味しいねぇ」
「普通のインスタントだわ」
「いやぁ〜水が違う?」
「普通の浄水」
この会話は毎回のネタになっているが遥はやめない。まぁ、これしか話さんけど。
「そーいやぁ、お見合い相手の、和紗ちゃんだっけ? その子とデートだったんだろ? どうだったん?」
「お前が和紗ちゃんとか言うな、穢れる」
「……ベタ惚れ?」
「うるさい、彼女は純白無垢なんだよ。俺らみたいに汚れてない」
遥はそれに対して笑うと「汚れてるとかなんなん」と笑っていてお前が一番汚れてるんだよ、と心底思った。