次期頭取は箱入り令嬢が可愛くて仕方ない。
「今日は味噌はいいの?」
「うん、まだあるから。家にもストックあるし」
「そっか、健一さんとおじいちゃん元気?」
「あぁ、父さんはめっちゃ元気。颯太さんも元気だよ」
健一さんとは圭くんのお父さん。レストラン・絹花の料理長をしている人で私にも優しくてよくしてくれる人だ。
颯太さんとは、私の母方のおじいちゃんで絹花でずっと料理人をしていたんだけどお母さんが結婚してすぐに健一さんを雇い入れて絹花の味を受け継いでもらい引退をしたのだとか。
「よかった。またおじいちゃんに会いに行こうかなぁ」
「喜ぶよ、なっちゃん来んかなって言っとった」
「近いうちに行くで、言っといて〜」
世間話をウダウダしてから圭くんは帰って行った。