次期頭取は箱入り令嬢が可愛くて仕方ない。
「何か食べようか、お腹空いてない? さっきパンケーキ屋さんとかあったし、そことかいいと思うんだけど……どうかな? 何か食べたいものある?」
「私も、パンケーキ屋さん行きたいです」
「そう? じゃ、行こうか」
佑さんは「えっと、こっちだったかな」と言いながら一緒にお店まで向かう。その途中も私が退屈しないようにたくさん話をしてくれてとても楽しかった。
それからパンケーキ屋さんに行き二人でパンケーキを食べる。ふと、佑さんは楽しいのか不安になる。
考えれば、親子の年でもあり得るくらいの歳の差だ。お見合い相手だからと言ってこんな私といて楽しいんだろうか。
「――和紗ちゃん? 大丈夫?」
「えっ! あ、はい……大丈夫です」
「俺は何か、君にしてしまったんだろうか……?」
佑さんは不安そうな表情でこちらを見つめた。