次期頭取は箱入り令嬢が可愛くて仕方ない。
「はい。母に、連絡をと思って」
「そっか、何か言っていた?」
「お母さんから聞きました。佑さん、両親に連絡してくださったんですね。ありがとうございます」
「大切な娘さんを外泊させるんだから当たり前だよ」
佑さんはそう言うと私に近づいてきて頭をぽんぽんと撫でると「朝食に行こうか」と言って立ち上がる。
「朝食ビュッフェが美味しいんだそうだ。一緒に行こう」
「はい」
私は洗面所で着替えをしてメイクを施すと洗面所からでた。
……ん? いや、待って。今気づいたけど、私、昨日スッピンを見られたってことだよね!?
「……和紗ちゃん、準備できた?」
「は、はいっ」
洗面所を出ると佑さんに声をかけられて返事をすると、もう彼は完璧だった。部屋を出る準備をして、一階にあるビュッフェのフロアに向かった。