次期頭取は箱入り令嬢が可愛くて仕方ない。
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「……大丈夫? 和紗。お粥は食べれる?」
「うん、ありがとう」
私は目が覚めて、微熱に下がった。三日間食べていないからとお粥を作ってくれたらしくお母さんは部屋に来てくれた。
「和紗が好きなたまご粥よ」
「ありがとう、嬉しい」
私はお粥を受け取り、蓮華にお粥を掬ってフゥフゥと冷ましながら口に運んだ。私の好きな塩味で、出汁が効いていてとても美味しい。
「……美味しい」
「それはよかった。そうだ、お父さんがねあなたに話があるからって後で来るって」
「わかった。待ってるって伝えて」
そう言えば、お母さんは「分かった、言っておくわね」と言って部屋から出ていった。
それからお粥が半分くらい食べ終わった頃、部屋の外から声が聞こえた。