ドーナツの穴になりたかったの(詩集)

万のことに使いけり

「万のことに使いけり」



彼女はいつも唐突だ。「ねえ竹取の翁って、竹を取っては万のことに使いけりらしいけど、そんなに沢山の竹、何に使ってたんだろうね」僕の答えはいつも適当だ。「流しそうめんのやつとか」彼女はいつも心底楽しそうに笑い、僕はその笑顔にいつも満たされている。



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