たとえこの世界から君が消えても
この三人と知り合ったのは、二年生になりクラスが替わった四月のことだ。



クラス替えが行われ、私は一年生の頃に仲の良かったグループの友達と離れ離れになってしまった。


話したことのない人ばかりの新しい環境で浮くことだけはしたくなくて、何気なく話しかけたのが加奈たちのグループだった。


加奈たちは一年の頃から仲がよかったらしいが、途中からグループに入った私に嫌な顔はしなかった。


本当はどう思っているのかわからないが、明らかにタイプの違う私をグループに入れてくれたことに感謝している。




…だが、一緒にいるようになって、加奈たちは噂話がとにかく好きで人の本当かどうかわかりもしない噂話で盛り上がることが平気でできる人たちなのだとわかった。


その時間が私にとっては苦痛でしかない。


でも庇うものならどんな目に遭うか、そばで見てきたからこそ一番よくわかり、私には何もすることができない。



陽菜(ひな)ー?聞いてる?」


「え、あ、ごめん。ぼーとしてた。なに?」


「陽菜も地味子むかつくって思わない?」



加奈に笑顔で尋ねられ、頬がひくついたが私も笑顔をうっすらと浮かべる。



「うん、私も嫌いかな」



今日もただ、加奈に合わせて相槌を打つだけだ。


こんな自分が一番嫌いだ。
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