たとえこの世界から君が消えても
「う、うん…。ちょっと力抜けちゃって…」


「わーん!」



急に佐倉さんに抱きつかれ、思わず後ろに倒れそうになる。



「え、あ、あの…?」


「ありがとう、私のこと庇ってくれて!私、昔からこういう性格で、よくこういうことあるんだけど、今まで誰も助けてくれたことなんてなかったから、嬉しい…。うわああん、本当にありがどおお」


「そんな、私…っ」



様々な感情が一気に押し寄せてきたことと、佐倉さんの涙につられて、私も泣いてしまう。



「ちょ、二人とも、落ち着いて!?」


「やばいもらい泣きする」


「鮎川さんのおかげであいつら倒せたー!」


「私たちの気持ち、代弁してくれて本当にありがとう!」



温かいクラスメイトたちに、さらに涙が溢れる。



「鮎川、泣くなって」
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