たとえこの世界から君が消えても
困った顔をしながら中村くんが袖で涙を拭ってくれるが、それでも止まらない。



「よく頑張ったな」



中村くんに優しく頭を撫でられ、ふと蓮くんを思い出す。


今すぐにでも会って伝えたい。


蓮くん、私ちゃんと気持ち伝えられたよ。



翌日の昼休み。



「え、陽菜どこ行くの?」


「ごめん、紫音。ちょっと図書室に用があるから行ってくるね」



急いでお弁当箱を片付け、紫音に断りを入れて図書室まで急ぐ。



平和になったクラスはとても居心地がいい。


加奈たちの今までの行為を、クラスメイトたちが校長先生のところまで言って必死に話した結果、加奈たちは一ヶ月間の謹慎処分となった。


クラスの問題を、見て見ぬフリしていた担任はその後、解雇されこの学校を去って行った。
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