たとえこの世界から君が消えても
第2章 心の片隅にいる誰か

1

ーピピッピピッピピッ。



スマホのアラームの音で目が覚める。



「んん…あれ…?」



大きく伸びをしていると、ふと自分の頬が濡れていることに気づく。



「なんで私、泣いて…?」



…何か、とても長い夢を見ていた気がする。


それがなんだったのかまでは覚えていないけど、直感的にそう思った。



「ひーなー!おっはよー!」



通学途中で、いきなり後ろから誰かに抱きつかれ驚く。



「…びっくりしたー。おはよう、紫音」



紫音は、最近できた元気で可愛い私の自慢の親友だ。



「はよー」



紫音と、昨日観たドラマの話で盛り上がっているといきなり後ろから頭を叩かれた。


この叩き方は大体誰か予想がつく。



振り向くと、思った通りの人物が自転車を押しながら隣に並んできた。
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