たとえこの世界から君が消えても
「陽菜、今日委員会?」



お弁当を片付けていると、奏多が頭に乗しかかってきた。



「そう。お昼だけあるー」


「ふーん。じゃあ俺も暇だし、行こっかなー」


「え?前に奏多、図書室の静かさは嫌いだって言ってなかったっけ?」


「あーもう平気になったんだよ」


「ひーなー。奏多はね、陽菜と一分一秒でも長くそばにいたいんだよ。気づいてあげなきゃー」


「なっ…!なんで言うんだよ!?」



にやにやと笑う紫音に、奏多が顔を赤くしながらあたふたとしている。



「陽菜!早く行くぞ!」



にやにやと笑い続ける紫音に耐えられなくなったのか、奏多がスタスタと教室を出て行ってしまった。



「待ってよ、奏多!」



呼びかけると、奏多がピタリと止まってくれた。
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