たとえこの世界から君が消えても
…やっとわかった。


母さんが二十二年の時を経て来たんじゃない。


俺が、二十二年前の図書室に来ているんだ。



それに、陽菜先輩と会えるのはなぜか昼休みの間だけ。


昼休みが終わり、この図書室を出ることで俺は元の世界に戻ってしまうのだろう。



「昼休みは暇だし、毎日来ますよ」



たとえ、昼休みだけでもいい。


理由とか、きっかけなんてどうでもいい。


目の前で変わらない俺の大好きな笑顔を見せる“陽菜先輩”と会えるなら、時を越えてこの場所に来てやる。
< 60 / 70 >

この作品をシェア

pagetop