たとえこの世界から君が消えても
3
陽菜先輩と過ごす昼休みは、変わらず毎日続いた。
そして、母さんはまだ目を覚ますことはなかった。
「蓮なんか最近楽しそうだよなー」
「え?」
バスケの試合をしているクラスメイト達を、隅っこに座りボーと眺めていると愛翔が馴れ馴れしく肩を組んできた。
「正直さ、心配だったんだよ。ほら、おまえの母ちゃん、まだ起きねぇじゃん?蓮が自分のこと責めて落ち込んでたの知ってるから、元気ないままだったらどうしよーなんて言おーとか思ってたから。けど、ちゃんと毎日学校来てるし、感情もちゃんと生きてるから安心した」
「ふっ、なんだよそれ。別に心配されなくても、俺は愛翔ほど弱くないから大丈夫だよ」
「おー!?おまえ言うなあ!?俺がことごとく失恋して号泣してるの、馬鹿にしてんだろー!?」
「そこまでは言ってねーよ」
ペシッと愛翔の頭を叩く。
「おーい、愛翔。次試合ー」
「おー!蓮、俺の活躍そこで見てろよー!」
愛翔に適当に相槌を打ちながら、再び訪れた静寂に目を閉じる。
目を閉じて浮かぶのは、決まって陽菜先輩の笑顔だ。
この笑顔が見れれば、俺の心が死ぬことはまだない。
そして、母さんはまだ目を覚ますことはなかった。
「蓮なんか最近楽しそうだよなー」
「え?」
バスケの試合をしているクラスメイト達を、隅っこに座りボーと眺めていると愛翔が馴れ馴れしく肩を組んできた。
「正直さ、心配だったんだよ。ほら、おまえの母ちゃん、まだ起きねぇじゃん?蓮が自分のこと責めて落ち込んでたの知ってるから、元気ないままだったらどうしよーなんて言おーとか思ってたから。けど、ちゃんと毎日学校来てるし、感情もちゃんと生きてるから安心した」
「ふっ、なんだよそれ。別に心配されなくても、俺は愛翔ほど弱くないから大丈夫だよ」
「おー!?おまえ言うなあ!?俺がことごとく失恋して号泣してるの、馬鹿にしてんだろー!?」
「そこまでは言ってねーよ」
ペシッと愛翔の頭を叩く。
「おーい、愛翔。次試合ー」
「おー!蓮、俺の活躍そこで見てろよー!」
愛翔に適当に相槌を打ちながら、再び訪れた静寂に目を閉じる。
目を閉じて浮かぶのは、決まって陽菜先輩の笑顔だ。
この笑顔が見れれば、俺の心が死ぬことはまだない。