たとえこの世界から君が消えても
陽菜先輩の頭を優しく包むように撫でながら、グッと我慢をする。
…俺のこの気持ちは、封印しなきゃいけない。
陽菜先輩との短い昼休みが大好きだ。
明るい笑顔が大好きだ。
…陽菜先輩が、大好きだ。
溢れてくる想いに、唇をきつく噛む。
一生俺の気持ちは誰にも知られることはないだろう。
陽菜先輩を好きでいるのは、今日で終わりにする。
*
まさか、こんなにも早く別れが来るなんて思いもしていなかった。
いつも通り、図書室の扉を開ける。
その日、いつもと違ったのは、顔面に吹きつけてくる風がなかったこと。
そして…いつまで経っても目の前の景色が変わらないこと。
「…どういうことだ?」
もう一度入るところからやり直してみるが、何度やっても結果は変わらない。
壁にかけられているはずの、西暦が二十二年前のカレンダーがない。
つまりここは、俺の時代の図書室ということだ。
「なんで?なんでだよ…っ」
もう何十回目かわからないほど図書室を行き来していると、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
ふらりとその場にうずくまる。
いつものように「蓮くん!」と名前を呼び笑顔で駆けてくる陽菜先輩を期待するが、やってくることはなかった。
その日から、陽菜先輩のいる時代に行けることは二度となかった。
…俺のこの気持ちは、封印しなきゃいけない。
陽菜先輩との短い昼休みが大好きだ。
明るい笑顔が大好きだ。
…陽菜先輩が、大好きだ。
溢れてくる想いに、唇をきつく噛む。
一生俺の気持ちは誰にも知られることはないだろう。
陽菜先輩を好きでいるのは、今日で終わりにする。
*
まさか、こんなにも早く別れが来るなんて思いもしていなかった。
いつも通り、図書室の扉を開ける。
その日、いつもと違ったのは、顔面に吹きつけてくる風がなかったこと。
そして…いつまで経っても目の前の景色が変わらないこと。
「…どういうことだ?」
もう一度入るところからやり直してみるが、何度やっても結果は変わらない。
壁にかけられているはずの、西暦が二十二年前のカレンダーがない。
つまりここは、俺の時代の図書室ということだ。
「なんで?なんでだよ…っ」
もう何十回目かわからないほど図書室を行き来していると、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
ふらりとその場にうずくまる。
いつものように「蓮くん!」と名前を呼び笑顔で駆けてくる陽菜先輩を期待するが、やってくることはなかった。
その日から、陽菜先輩のいる時代に行けることは二度となかった。