たとえこの世界から君が消えても
2
遠くで誰かの声が聞こえた気がした。
ゆっくりと瞼を持ち上げる。
ぼやける視界に、見慣れない真っ白な天井が広がる。
…ここは、どこ?
「か…っ?」
うっすらと誰かの声が聞こえて、その方向に首を動かす。
ずっとずっと、会いたかった人が目の前にいた。
自然と口が動く。
「蓮くん」
名前を口にすると同時に、短かった一ヶ月の思い出がぶわりと走馬灯のように全身を駆け巡った。
どうして…忘れていたんだろう。
そんなことよりも今は、伝えなきゃいけない大事なことがあった。
「蓮くん、私ー」
蓮くんは私の言葉に驚いたように目を見開き、泣きそうな顔で笑った。
ありがとう、蓮くん。私の人生に色をつけてくれて。
素直になることの大事さを教えてくれて。
自分を変える大きな一歩を踏み出せるように背中を押してくれて。
再び重くなっていく瞼を必死に開けながら、遠ざかっていく背中をしっかり見つめる。
…きっとこれが最後の蓮くんだ。
「…ありがとう、蓮くん。ばいばい」
そっと呟いた声を最後に、私の意識はそこで途絶えた。
ゆっくりと瞼を持ち上げる。
ぼやける視界に、見慣れない真っ白な天井が広がる。
…ここは、どこ?
「か…っ?」
うっすらと誰かの声が聞こえて、その方向に首を動かす。
ずっとずっと、会いたかった人が目の前にいた。
自然と口が動く。
「蓮くん」
名前を口にすると同時に、短かった一ヶ月の思い出がぶわりと走馬灯のように全身を駆け巡った。
どうして…忘れていたんだろう。
そんなことよりも今は、伝えなきゃいけない大事なことがあった。
「蓮くん、私ー」
蓮くんは私の言葉に驚いたように目を見開き、泣きそうな顔で笑った。
ありがとう、蓮くん。私の人生に色をつけてくれて。
素直になることの大事さを教えてくれて。
自分を変える大きな一歩を踏み出せるように背中を押してくれて。
再び重くなっていく瞼を必死に開けながら、遠ざかっていく背中をしっかり見つめる。
…きっとこれが最後の蓮くんだ。
「…ありがとう、蓮くん。ばいばい」
そっと呟いた声を最後に、私の意識はそこで途絶えた。