月と黒猫
月と黒猫
一匹の黒猫は自分が生まれた場所を探して旅をしていました。

この黒猫には名前がありません。

何故なら誰も名前をつけてくれないからです。



黒猫が寂しそうに歩いていると、道の端の方に女の子が座っていました。

黒猫が近付くと女の子は顔をあげました。

女の子は黒猫を見ると、笑顔で尋ねました。


「こんにちは、黒猫さん。わたしはカヨ。あなたのお名前は?」


すると黒猫は「ニャー。」と答えました。


「あなたの名前は『ニャー』って言うのね?ねぇ、ニャーくん、カヨと一緒に遊びませんか?」


黒猫は嬉しくなってカヨちゃんに頬擦りしました。





黒猫のニャーとカヨちゃんは夕方になるまで一緒に遊びました。


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