また雨の日に殺人を。
「この雨だからまだハヤテんちにいるかもしれない。行こう」

座っているハヤテの手を持つ。

「行こう」

「…」

手が抜けるのではと思うくらいの力でアオバはハヤテの手を引っ張った。





「ハヤテ!早く!交番まで行こう」
私もハヤテのもう片方の手を引っ張った。
交番は歩いて30分だ。

ここは山で坂になっているから下らないといけない。




「あ、ああ。」
だんだんハヤテの顔の色が悪くなっていく。



私たちは雨の中ハヤテの家を出る。

傘なんて誰一人として刺そうとしなかった。
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