経理部の女王様が落ちた先には
「花崎さん!大丈夫ですか!?」



倒れ込んでしまったわたしに、近くにいた女の人や男の人が近付いてきた。



「あ~、ヒール折れちゃいましたね・・・」



女の人が、心配しながら少しだけわたしに触れ、起こしてくれる。
それでもわたしは立ち上がれない・・・



だって、だって、ヒールが・・・ピンヒールが・・・折れてしまったから・・・。



わたしが座り込んでいるので何事かと少し騒ぎになり、人がどんどんと集まってくる。



みんなが“わたし”を見下ろす。
それが、怖くて・・。



“女王様”でない“わたし”を見下ろされるのが、怖くて・・・。



「花崎さん!?どうしたの!?」



その時、企画部の部長が人混みを掻き分けてやってきた。
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