経理部の女王様が落ちた先には
その声がする方を見ると・・・




「岸部長・・・」




岸部長が慌てたように飛び出してきて、企画部の部長の肩を叩いた。



「ありがとうね、うちの子を。
みんなも心配してくれてありがとう。」



そう言いながらわたしの前でしゃがみ、ゆっくりピンヒールを脱がした。



「岸部長・・・あの、わたし・・・」



なんて説明しようか悩んでいると、岸部長が優しく笑いながらわたしの手を持ち立たせてくれる。



「足はくじいてない?」



「はい・・・」



「よかった・・・。」



安心した様子で、わたしの手を引っ張ってくれる。



「経理部まで裸足でもいいかな?」



「はい・・・。」
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