経理部の女王様が落ちた先には
「結城部長!!!お疲れ様です!!!」


「珍しいですね!?」



私の周りにいた第2営業部の男性達と女性達、そして他の席にいる、恐らく第2営業部の男性達は歓びの声を上げた。



虫1匹も殺せないような顔で笑い、結城部長が少しだけ、私を見たような気がする。



「もう締めるかな?少しだけ参加するよ。」



スーツのジャケットを脱ぎながら、結城部長が私のいるテーブルに着く。
長袖のワイシャツの袖を捲り、結城部長の腕が現れる・・・。
“菩薩”の顔には似合わないような、よく筋肉のついた腕。



少し深呼吸をして、私は高級な腕時計を眺め、右手で少しだけ触れる。



「結城部長、クールビズなんですから、ネクタイ外しちゃいましょうよ!」



その言葉に、私は顔を上げる。




そんな私を、結城部長が少しだけ見たような気がする。




「これは、いいよ。」




ネクタイを緩めるどころか、結城部長はネクタイを絞め直した。
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