経理部の女王様が落ちた先には
「花崎さんって、今恋人いるんですか?」


営業事務の女性が言った一言に、周りにいた男性達も静まり返る。
そして、全員が私を見ている・・・。


私は少し深呼吸をして、ゆっくりと高級な腕時計を眺める。
そして、顔を上げた時・・・



「そういうのは、よくないね?」



と、結城部長が言った。



私を見ていた全員が、今度は結城部長を見る。



「こんな大勢の前でそういうのは、よくないね?」



と、営業事務の女性に優しく諭す。



「そうですよね!?ごめんなさい、花崎さん!!!
花崎さんのこと、私すごく興味がありすぎて、気になって聞いちゃいました・・・。」



高級な腕時計に触れながら、慌てて謝る女性に私は笑い掛ける。



「もっと仲良くなれたら、教えてあげる。」
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