経理部の女王様が落ちた先には
思ったよりも悪い気がしなかった飲み会は、さっきまで私の隣に座っていた第2営業部の男性によって締められた。



ガヤガヤと全員が帰る支度をする中、私は小さな溜め息を吐き、鞄を持ちゆっくりと立ち上がる。



「花崎さん、帰りどっちですか?
俺、送ります!」



隣に座っていた男性が締めの挨拶から戻ってきて、私に声を掛けた。



その時・・・



少しだけ香るタバコの匂いがした・・・。



「花崎さん、この資料・・・少し説明してもらえますか?」



虫1匹も殺せないような顔で、結城部長は私に話し掛けた。
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