経理部の女王様が落ちた先には
資料の説明を少ししている間に、他の人達は次々と個室を出ていった。
最後になり、結城部長の後をついて私も個室を出る。




先に革靴を履いた結城部長が、少しひざまずき・・・




私の足元に、ピンヒールを置く・・・




「どうぞ。」




そう言って、私を見上げた。




私は、結城部長に見られながら、ゆっくりと、ピンヒールを履いていく・・・。




「僕が、家まで送りましょうか?」




ひざまずきながら、私に聞いてくる。





ピンヒールを両足に履き、私は無理矢理深呼吸をする。





「失礼致します。」





深くお辞儀をし、ひざまずいたまま動かない結城部長を置き去りにし、居酒屋を出た。
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