経理部の女王様が落ちた先には
そして、営業部へ。
「結城部長、今よろしいでしょうか?」
デスクに着く結城部長を見下ろす。
「花崎さん、どうしましたか?」
虫1匹も殺せないような顔で、結城部長が私を見上げる。
そんな結城部長に、資料を差し出す。
「こちら、印鑑お忘れですよ?」
「ああ、悪かったね。」
そう言って、自分のデスクから印鑑を取り出し、押した。
「結城部長、最近多いですよね~?
疲れてますか?これ、いります?
お客さんに沢山貰って!」
近くに座る第2営業部の男性が、箱に入ったままの栄養ドリンクを指差す。
「ありがとう。でも、僕そういうのじゃダメなんだよね。」
そう言いながら、印鑑を押し終えた私に返す資料に、何かを貼った。
「花崎さん、これ、いいですか?」
結城部長が渡してくる資料を見て、私は固まった・・・。
そこには、可愛いパンダの付箋が貼ってある・・・。
そして・・・
《20時 会議室Ⅳ》と書かれている。
この前、階段から落ちた時に初めて喋った結城部長。
それまで、この人は書類でミスをするようなこともなかったし、経理部への用は全て岸部長や宮本副部長とやり取りするものばかりで。
当然、こんなことをされたのは、初めて。
「花崎さん、これ、いいですか?」
虫1匹も殺せないような顔で、笑顔を貼り付けたように笑う結城部長が、また私に聞いてきた。
私は、その可愛いパンダの付箋を見る・・・。
私の満たされない何かが、煩いくらいに主張している。
少し震える手で、その資料を受け取る。
「承知・・・いたしました・・・・」
「結城部長、今よろしいでしょうか?」
デスクに着く結城部長を見下ろす。
「花崎さん、どうしましたか?」
虫1匹も殺せないような顔で、結城部長が私を見上げる。
そんな結城部長に、資料を差し出す。
「こちら、印鑑お忘れですよ?」
「ああ、悪かったね。」
そう言って、自分のデスクから印鑑を取り出し、押した。
「結城部長、最近多いですよね~?
疲れてますか?これ、いります?
お客さんに沢山貰って!」
近くに座る第2営業部の男性が、箱に入ったままの栄養ドリンクを指差す。
「ありがとう。でも、僕そういうのじゃダメなんだよね。」
そう言いながら、印鑑を押し終えた私に返す資料に、何かを貼った。
「花崎さん、これ、いいですか?」
結城部長が渡してくる資料を見て、私は固まった・・・。
そこには、可愛いパンダの付箋が貼ってある・・・。
そして・・・
《20時 会議室Ⅳ》と書かれている。
この前、階段から落ちた時に初めて喋った結城部長。
それまで、この人は書類でミスをするようなこともなかったし、経理部への用は全て岸部長や宮本副部長とやり取りするものばかりで。
当然、こんなことをされたのは、初めて。
「花崎さん、これ、いいですか?」
虫1匹も殺せないような顔で、笑顔を貼り付けたように笑う結城部長が、また私に聞いてきた。
私は、その可愛いパンダの付箋を見る・・・。
私の満たされない何かが、煩いくらいに主張している。
少し震える手で、その資料を受け取る。
「承知・・・いたしました・・・・」