俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 本来のクールな新城堂の社長である暁の姿は、芹の前では見られない。

「いってらっしゃい」

「いってきます。チュッ」

 芹にキスをして玄関を出た。

 誰にも見せないプライベートは甘々なままだが、スーツを着て玄関を出ていく瞬間切り替える。

 タワーマンションのエントランスには、運転手と駿が待つ。

「「おはようございます」」

「ああ」

 軽く返事をした後、後部座席に乗り込む。駿が助手席に乗り込み走り出す。

 そして、その姿を見ている女性が……。

 車の中では、駿がなんの前触れもなくスケジュールを読み上げる。それを黙って聞いている暁。メモをするわけでもなく、聞いているだけで頭に刻み込んでいる。

 一通りのスケジュールの確認が終わるタイミングで、車は新城堂の地下駐車場に到着した。駿が降り、後部座席のドアを開け降りた暁と共にエレベーターを目指す。

 寸分の無駄もない、いつもながらの光景だ。

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