俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

　これから仕事だというのに、一気にテンションが下がる。重い気持ちを抱えロッカーで着替えをし、目立たない芹の姿でシンジョーテックのフロアへ足を踏み入れる。

　いつもより少し早めだが、社内は月曜ということもあり、出勤している者も多い。

　芹も、いつも通りの小声で目立たないように挨拶をして、自席につく。席には、金曜の定時後に置かれた書類やメモで溢れている。これもいつもの事。ひとつひとつ片付けていく。

　始業時間になる頃には、週明けでほぼ全ての社員が揃い活気づいている。

　そこへ……。

　『ザワザワ』と入口付近の席から順にざわつき出す。

「何々？」芹の後輩の美和が興味津々だ。

　芹の所属する企画開発部は、オフィスでも奥の方に位置するため、何が起こっているのかは見えない。

　だが、芹は何か嫌な予感しかしない。

　ここ最近の芹は、ハプニングに巻き込まれてばかりだ。関係ないことを祈りたい。

　だが、嫌な予感は当たるものだ。