俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 『コンコン』「はい」

 社長室には外の喧騒は全く聞こえていなかった。いつも通り秘書の木村がスケジュールの確認に来たのだろうと、顔も上げず書類を区切りのいいところまでと読んでいた。

「名取さん」

 女性ではなく男性の声が聞こえ驚く。

「えっ!?」

 顔を上げ相手を見て更に驚いた。ポカンとしてしまう。

「おはようございます。朝からすみません」

 恐縮する駿の声で、我に返るが週明けの朝に勘弁してほしいと思ってしまう。今度は何だ?というのが、名取の正直な感想だ。

「はあ、おはようございます。珍しいお客さんで」

 嫌味も言いたくなる。先日は呼ばれ、今日はアポ無しで現れる。

「ああ、来てもらっても良かったんだが、芹の無事な姿を確認したくて」

「……。で?」

「ああ、出社していて安心した」

「お前は成宮さんの保護者か?」

 事情を知らない名取が突っこむのも最もだ。

「何言ってる。芹は俺の女だ」

「「はあ?」」
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