俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「ちょっとアナタ」

「えっ?ゲッ」

「何よゲッて」

「いえ、何か御用でしょうか?」

「今日も親戚の家に帰るの?」

「はあ……」

 なぜ朝に続き花澤がここにいるのか?ここで待っていてどうするつもりなのか?疑問でいっぱいだが、ここをなんとか気に抜けなければと考えを巡らせながら、気のない返事をしてしまう。

「アナタ、シンジョーテックじゃないわよね?」

「はい?」

「今日、暁様がシンジョーテックに現れたらしいの。アナタ関係ないわよね」

 勢いよく迫られ後退りしながらも、なんとか頭を縦に振る。本当のことを知ったらどうなるのだろう……。

 花澤の雰囲気からは、恐怖しか感じないのだ。顔は笑っているが、内心では芹を疑っていると伝わってくる。

 どう切り抜けるのが正解かを一生懸命思案するが、とにかくバレないようにとしか答えが浮かばない。

「私もマンション内を見たいわ。案内して」

「そ、それは無理です。セキュリティが厳しいので」

「なんとかならないの?親戚に頼んでよ」
< 117 / 253 >

この作品をシェア

pagetop