俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「それはっ!」

 咄嗟に言葉が出ないようだ。

「朝もここにいたのはお前か!?」

「……」

「ここは、マンションの敷地内だから、カメラに証拠が残っている。だんまりを決め込んでも無駄だ」

「わ、私は入社した時から暁様が好きなんです!秘書課に行きたかったのに、新城堂の秘書課は男性しか配属されない。だから、私は新城堂の顔の受付に配属されたんですよね??」

 どれだけ自分に自信があるのか、ある意味感心するが、今の状況で笑ってはいられない。

「そもそもどうして俺がここに住んでいることを知っているんだ?」

「それは……」

「駿、このマンションの防犯カメラの映像は一年保存されてるんだったな」

「ええ」

「調査を依頼しといてくれ」

「そんなっ」

「もう少しエントランスに近かったら、不審者と認定されて通報されていたのに残念だ」

「そうですね。幸か不幸か、マンションの敷地のギリギリで、通報まではされなかったんですね」

「新城堂の社員が逮捕なんて体裁が悪いから、先に退職届を出してくれ。嫌なら懲戒解雇にする」
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