俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「逮捕?まさか警察に通報するつもり?」

 自分の状況をやっと理解できたのか、焦りだし敬語すら忘れている。

「当たり前だろう?他にも叩けばほこりが出るだろう?」

 何やら意味深な笑みを見せる暁に、花澤の顔色が青くなる。暁は、すでに花澤の調査に動き出していた。今回のストーカー紛いの行動がなくても、近々正式に処分されたのだ。飛んで火に入る夏の虫とはこのことか……。

 ただ、芹に危害が加わる前に間に合って良かった。名取から、今日は残業だと聞いていた。仕事をしていたらスマホが鳴ったのだ。

「すみません」

 焦った名取の謝罪に嫌な予感がした。

「どうした?」

「さすが成宮さんというべきか、他の社員と比べものにならないくらいのスピードで仕事を終わらせて、思っていたより早くに退社しました」

「はあ!?駿」

 まだ繋がったままだが、構っていられない。

「何だ?」

「芹が退社したって」

「え?今日は遅くなるのでは?」

「芹は、終ったみたいだ。ロッカーに寄ってから帰るだろうから、急いでマンションに向かうぞ」

 急いで車でマンションまで戻って来た時に二人を見つけたのだ。
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