俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「芹は、二次元のドキドキしか知らなかっただろう?」

「う、うん……」

「実際にリアルで抱きしめあったりキスしたり、二次元じゃわからない温もりを知ったからじゃないか?」

「……」

「まだわからないなら」

 理解していない芹のせいにしつつも、可愛すぎる芹に我慢できなくなった暁はキスをする。

 軽い口づけからだんだんと濃厚になる。

「んっ」鼻に抜ける色っぽい吐息が漏れる。

「ダメだ。このままならすぐにでも、押し倒してしまいそうだ。帰ってからのお楽しみにして、芹のマンションに行かないとな」

 何とか理性を総動員して我慢した。

「さっさと行って片付けて来よう」

「うん。ありがとう」

 暁の運転する車に乗り込み、芹のマンションを目指した。

 マンションの一角にある来客用の駐車場に車を止めた。芹が助手席から降りた時だった。

「芹奈ちゃん」

 暁を気にすることなく男が声を掛けてきた。

「誰だ?」

「お前こそ誰だよ。俺たちから芹奈ちゃんを奪ったやつだな」

 完全に暁を敵認定している。
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