俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 すでに男は連れて行かれた後だ。

「ん〜?あっ、そういえば!」

「知ってるのか?」

「多分、いつも後ろの方から見てるだけの人のような……」

「完全なストーカーだな」

「ですね。また改めてお話をお伺いします。引っ越しされるんですよね?」

「ああ。俺のところに」

「それなら安心ですね。住所を知った者には、一人ずつ警告してますし、ストーカーは二人のようです。後はマニアックな芹奈さんファンだと。見てるだけでいいそうです」

「それも腹が立つが」

「ハハッそうですね」

 嫉妬全開の暁と警察官の会話を聞き、芹の知らないところで、全ては片づいたようだ。

 もう、ストーカーに怯えることもない。今回は、暁がきっかけで過激化したが、暁とは関係なくマンションを知られていたと思うと、最悪の事態になっていたかも知れない。一人の時に、押しかけて来られていたらと……。

 あのタイミングで暁に出逢ったことが、芹にとっても運命の出逢いだったのだ。
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