俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 翌朝鳴り響く電話。

 駿は、エントランスに現れない暁に、嫌な予感がした。何度鳴らしても呼び出し音がなるだけの暁のスマホ。昨夜から仕事部屋に放置されている。

 次に、コンシェルジュに頼んで内線を鳴らしてもらう。

 リビングと寝室で鳴るが爆睡しているふたり……。

 駿は部屋に入れるが、寝坊しているだろうふたりに、突撃して大丈夫なのだろうか……。

 ダメ元で芹に掛けてみて、出なければ部屋まで行くしかない。先日、念の為と聞いておいて良かった。

 『トゥルルル〜トゥルルル〜』何度か鳴り諦めかけた時だった。

「は、い」掠れた声の芹が出た。

「成宮さん、おはようございます」

「……。おはようございます」寝惚けた声だ。

「出勤時間になっても暁が現れなくて、何度も電話しているのですが、全く出ないのでこちらに掛けさせていただきました」

「えっ!?ええっ!?今、何時?暁くん!」

 電話の向こうでは慌てている姿が想像できる。

「落ち着いて下さい。暁に代わっていただけますか?」

「はい!暁くん!暁くん!」

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