俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 遅刻騒動があった週末、朝から芹は服装に悩んでいた。

 芹のマンションでは、駿の立ち会いのもと引っ越し作業が始まっている。搬出から搬入まで全て駿が見届けてくれる。

 そして、芹は今から暁の実家に挨拶に行く。交際と同棲の報告で、明日は芹の実家に行く予定になっている。

 初カレなのだから、彼氏の実家に行くのももちろん初めてなのは言うまでもない。暁の実家への手土産は、妹さんの好きなメロンのケーキをホテルで予約した。値段を聞いた時には、あまりの高さに信じられなかったが、新城堂の創業者一家なのだから庶民とは感覚が違うのも頷ける。

 そんな家庭に受け入れてもらえるのだろうか。妹さんはブラコンだから気をつけるようにと駿に言われたが、どう気をつければいいのだろうか…

 清楚に見えるワンピースを着て、控えめな化粧にした。

「暁くん、どう?大丈夫?」

「ああ。今日も可愛い」

 日々暁からは、甘い言葉が囁かれるが、まだまだ慣れない。
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