俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「私は、ゲームやアニメが好きなの。だから、大学も情報学部に進んだの」

 実家が新城堂だからというわけではなかったらしい。

「ああ」

「お母様は知ってるけど、ゲームやアニメのイベントに参加するのに、コスプレをして行くの」

「……」

 父は、聞いたことも見たこともないのだ。想像できず戸惑っている。

「イベント会場で、カリスマ的存在のコスプレイヤーがいるの。みんなその人と写真が撮りたくて」

「まさか?」

「そう。そのまさか。芹奈様、本名は芹さんって言うのね。芹お姉様がそのカリスマコスプレイヤーだよ。私の憧れの人。まさか女っ気のなかった兄さんが芹奈様を連れてくるとは……。びっくりよ」

「母さんは知っていたのか?」

「璃々のコスプレ好き?もちろんよ」

「「……」」

 知らなかったのは暁と父親だけだったようだ。

「じゃあ、璃々も芹さんのことは反対じゃないんだな?」

「反対どころか、私がほしい……」

「はあ?寝言は寝てから言え」

「芹お姉様、振るなら今のうちよ」

 すっかり芹の味方の璃々だ。

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