俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「よくわからんが、丸く収まったようだな」

「そうね。璃々が反対して揉めるかと思っていたのに、暁と芹さんの取り合いをするんだから……」

「じゃあ、待たせているから寿司をいただこう」

「芹さんたくさん食べてね」

「芹お姉様の隣に座る!」

 年齢こそ芹の方が上だが、間違いなく璃々の方がお姉さんに見える。芹の兄妹は、兄だけだ。同じ妹という立場だが、お姉さんと懐かれて嬉しくなった。しかも、芹の趣味も理解してくれている。一緒に楽しめそうだ。

 新城家に挨拶に来るまでの緊張感が嘘のようにリラックスした時間が流れる。

 璃々からは、呼び捨てで呼んでと言われたが、璃々ちゃんにしてもらった。

「璃々ちゃんと会場で顔を合わせた事あった?こんな美人さん忘れないはずなんだけど……」

「び、美人〜芹ちゃんに褒められた〜」

 芹も、様やお姉様は勘弁してほしいとちゃん付けで読んでもらう。

「いつも、こっそり見てたの。もう、恐れ多くて近寄れない!」

「「「……」」」

 普段の璃々からは考えられない謙虚さに、驚く両親と暁だった……。
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