俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「こいつとは、大学は違ったが同じサークルに所属してたんだ」

「えっ?お兄ちゃんテニスしてたよね?」

「ああ。テニスのサークルな。サークルと言ってもみんな結構本気に練習してて、こいつともよく試合をした」

「そうなんだ……。で?」

「ああ。テニスも上手いしなにをやらしてもパーフェクトだ。しかもこの容姿で、新城堂の御曹司。女が後を立たず寄ってくるんだが、まあ酷い態度で」

「態度って?」

「話しかけられても基本無視。キャアキャア言われたら煩いと一喝してる。いつも一緒にいた稗田くんがいなかったら、こいつは刺されててもおかしくない」

「中途半端な優しさを見せるよりいいでしょう?」

「でも、言い方ってもんはある」

「確かに。あの頃は、とにかく容姿と肩書で寄ってくる女性に辟易してたんです。断っても断っても、次から次へと……」

「その大変さはわからなくもないが、あの時のお前を見ていた俺が、大事な妹をハイそうですかと任せられると思うか?」
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