俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「しょうがない。エントランスで待つか」

「正気ですか?社長がエントランスで退社する社員を見ているなんて、何て言われるか……。言い訳も出来ません。他の方法を考えましょう」

「待てない。直ぐに捕まえたい。端の方で目立たないようにしてたら誰も気づかないだろう」

「……。なわけあるか」

「とにかく行ってくる。あとは頼んだ」

「はあ?俺も行く」

「お前といたら目立つ」

 駿が居ようと居まいと、暁ひとりで目立つのだ。言い聞かせてやりたいが、時既に遅し。もう、社長室を出ようとしている。

「ちょっ、暁」

 慌てて止めるが、振り向く事なく行ってしまった。こんなに何かに必死になる暁は見たことがない。

 しかも今回は女性に対して必死になっているのだ。全く理解が追いつかない。

 駿は、どうするべきか悩み連絡を入れた。

「はい」

「名取さん、稗田です」

「また何かありましたか?」

 またと言われても仕方がない。本日は二度目なのだから……?

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