俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
ピンチを救う女神
 無事?なのかは微妙だが、両家への挨拶は済ませた。

 新城家では大喜びされ、成宮家では今後の暁次第な話で、同棲は始まった。

 客室だった部屋が芹の部屋になり、以前芹のマンションにあった荷物は、引っ越し業者により綺麗に片付けられている。

 芹と暁が実家に挨拶に行っている間に、引っ越しから解約まで、駿によって全てが終わっていた。

 芹の部屋はあるが、寝室は暁と一緒。これが、暁が絶対に譲れない条件だ。

「稗田さん、何から何までありがとうございました」

「とんでもない。ところで、成宮さんのご実家での反応はいかがでしたか?」

「それが……」

「まさか、反対されたんでしょうか?引っ越しは終わってしまいましたが」

「同棲は、私のストーカー騒動で暁くんにお世話になるのが安全だと父が……」

「じゃあ何が?暁?」

「……」暁は若干ムスッとした表情で黙り込む。

 駿は、訳が分からず視線を芹に戻した。

「稗田さんは、大学の時のサークルにいた、成宮剛を覚えてませんか?」

「成宮剛……。あっ!」

「ご存知なんですね」

「まさか?」

「はい。兄なんです」
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