俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「ゲームを試していた者が、バグがあると……」

「はあ?今頃何を言ってる?」

「まだ私自身確認は出来ていないのですが、明日の製造を私から連絡するまでストップしてもらえませんか?必ず早期に連絡を入れますので」

「……。一日も無駄に出来ない状況だぞ?」

「重々承知しております。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします」

「わかった……」

 問題がなければ、明日の午後からでも製造再開してもらえばいい。

 もし、もし本当にデバッグになれば、今まで製造した製品は不良品だ。だが、気づかずに出荷していたら、新城堂の信用問題だ。

 どちらにしても、一刻も早く確認しなければ……。

 気持ちばかり焦る……。

 そこへ『ガチャッ』と社長室の扉が開いた。

「はぁ〜疲れた。あの人、話長いんだよな」

 事情を知らない暁は呑気なものだ。

「し、し、社長!」

「何だ?二人の時に社長なんて珍しい」 

 基本は、二人の時は暁と駿で呼び合っているが、今の駿は普通じゃない。

「大変なんです!大変な、成宮さんが」 

 動転しすぎて何が言いたいか全くわからない。だが、暁も芹の名前が出てきたら焦る。
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