俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「はい。私で良ければ」

「何かあったら連絡する」

「うん。無理しないでね」

「ああ。行ってくる」

 帰って来て一瞬で行ってしまった。

 芹は、暁の役に立てるならと、その後朝方までゲームを続けた。

 なかなかに深刻な状況の気がする……。

 一方、暁の招集で退社後集められたのが、新城堂のソフトの開発担当から宣伝担当まで、役職者達だ。プラスでシンジョーテックの社長の名取までいる。

 今までにない、夜遅くの招集に嫌な予感しかしない……。

「時間がないので本題に入る」

「「「はい」」」

「一ヶ月後に迫った、我社の人気ソフトの第三弾だが、バグが見つかった」

「「「ええっ!?」」」「まさかっ」

「そのまさかだ。しかも、家庭用モニターサイズでは、わからない。大画面で映さないと……。だからといって、このまま販売するわけにはいかない」

「製造は半分ほどまで進んでいます」

「はい。私のところにも報告が上がってます。先程、工場に明日朝からの製造をストップしてもらえるように連絡はしました」

 秘書の稗田からの報告に、耳を傾けみんな渋い顔をする。
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