俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 開発担当部長から質問が投げかけられる。

「これは、ゲームの最初から出てるんでしょうか?」

「ちょっと待ってくれ」

 暁がどこかに電話を掛けている姿を、皆が見守る。

「教えてほしいんだが、あの画面が出だしたのはいつからだ?ああ。ああ」

 誰に電話をしているのかさっぱりわからない重役達。名取だけが、電話の相手が芹だとわかっている。

「わかった。ああ、ありがとう」

「「「…」」」

 優しい声でお礼を言い電話を切る暁にも衝撃を受けるが、そこを突っ込んで聞いている余裕はない。しかも、発売前のゲームを出来るのは、暁の自宅以外は考えられない。

 暁がいない部屋に、入れる人物イコール相当親しい人物だとわかる。

「ゲームを進めて、後半に入ってからだそうだ」

 色々聞きたいことは、一先ずおいておき話し合いがなされる。

「発売日はずらせません。そんな事になったら、損失は計り知れない」

「デバッグはどれくらい掛かりそうだ?」

「一週間と言いたいところですが……」

「それだと製造が間に合わない。今でも余裕ないんだ」
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