俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「わざわざ遠いところ、御足労いただきありがとうございます」

「今日の午前中には連絡があると思って待っていたが、音沙汰がなかったからな。ギリギリまで粘ったが、我慢できなくてやってきたんだ」

「「すみません」」

「あの〜」この状況で芹が口を挟む。

「どうした?」

「凄く目立ってます……」

 芹の言葉に目を向けると、たくさんの野次馬がいた。

「場所を移しましょう。成宮さんも来てください」

「え゛」

「芹奈ちゃんも一緒について来てくれ」

「「!?」」

 怒鳴られる覚悟で下りてきた二人は、芹を芹奈と呼び、ご機嫌の香田社長に驚く。しかも、芹は香田社長を源ちゃんと呼んでいるではないか……。

 芹は、周りの視線を集めている状況にいたたまれない。救いは、シンジョーテックでの芹ではなく、私服に着替えていたことだ。

「あんな子うちの会社にいたか?」

「誰だ?」

「俺タイプ!」

 たくさんの声が聞こえ芹は俯き、暁は周囲に睨みを効かせる。
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