俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 エレベーターに乗り込んだ途端、口を開いたのは香田社長だった。

「先日のイベントに行ったら、芹奈ちゃんがいなくてガッカリしたんだ。だから、今日まさかここで出会えるなんて嬉しいぞ」

「源ちゃんゴメンね。用が出来て途中で帰ったの」

 言いながらも暁を見る。そう、あの時は暁に連れ出されたのだから……。駿も暁に視線を向けている。

「あの〜」

「何だ?」

「お二人の関係は?」

「芹奈ちゃんと儂か?」

「はい」

「儂の愛する女性だ」

「はあ?何を言ってる、芹は俺のだ」

 ここで暁が口を挟む。いくら香田社長でもこればかりは譲れない。

「何だと!?まさかの儂の大事な芹奈ちゃんが、新城のボンの毒牙にかかっているなんて……。お主女性に興味がなかったんじゃないのか?」と肩を落とす。

「はあ?どこの情報だ!?」

「お主の親父さんもいつも心配していだぞ」

「今まで芹に出会ってなかったからだ」

「フンッ。儂の方が、芹奈ちゃんとの付き合いは長いんだ」大人気(おとなげ)なく呟く。



 
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