俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「神崎社長、本日をもって新城堂との取引は中止としてもらう。今後一切関わらないでくれ」

「そんなっ」

「もう少し常識のある方だと思っていたので残念だ。娘を甘やかしたかったら勝手にやってくれ。金輪際関わらないでくれ。後は、稗田に書類を手配させる」

「どういうこと?私の誘いを断るの?」

「出てけ!」

 暁の絶対零度の叫びが社長室に響き渡る。

「覚えてなさいよ!言いふらしてやる」

「好都合だ。お前のような勘違い女は懲り懲りだ」

「なっ、勘違い!?パパ〜何コイツ」

 段々素の姿が暴かれる。

「コ、コイツ!?真美、新城社長になんてことを。新城社長、申し訳ありませんでした」

 神崎は、これ以上暁を怒らせると自分の会社が存続の危機に陥ると判断して引いた。

 神崎の元には、新城の女神の噂ではなく、暁の嫁を探していると噂が流れてきたのだ。よく考えてみれば、真美がどこからか聞いて来た噂だ。

 神崎は調べもせず、娘のたっての希望を聞いてしまったのだ。

 暁にとっては、迷惑な時間のロスだったが、この出来事のお陰で娘を嫁にと連絡してくる社長はいなくなった。
< 206 / 253 >

この作品をシェア

pagetop